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ルーティンとは
「ルーティン」という言葉は、「日課」「決まった動作」「決まった手順」などを意味します。
英語では「routine」で、語源は「route」(ルート)「道」で、「登山ルート」「通勤ルート」などで使われる、「いつも通る決まった道」から派生した言葉です。
スポーツにおけるルーティンとは準備の習慣化のことで、構えに入るまでの動作を「決まった手順で決まった動作」にします。この「決まった手順で決まった動作」で準備をすることで、
- 成功の妨げとなる思考や行動を防ぐ
- 不安や緊張を和らげ、心を整え、集中力を高める
- プレーの確実性を高める
- 心身の不調や異常に氣が付きやすい
ルーティンにはこれらのような効果があります。緊張する場面でルーティンを行うことは普段の練習と同じ精神状態を作り出すことにつながります。いつでもどこでも、いつも通りの力を発揮することができるのです。
また毎回決まったときに同じことを行うことにより、その日の状況を他の日と比較しやすくなります。いつもと違うことを修正することで、失敗や怪我をする確率を減らしています。
有名人のルーティンの事例
イチロー氏(元メジャーリーガー)
- カレーを食べる
- 球場におにぎりをもっていって食べる
- ネクストサークルで準備運動(足を開いて、両ひざに手をつき肩を入れ込む動作など)
- バッターボックスに入るまでの動作(右手でバットをピッチャー方向に立てて出し、左手で右袖をつまむなど)
- 試合後のグラブ磨き
まだまだ出てくるイチロー選手のルーティンですが、無理してルーティンを続けていたわけではありません。引退会見で長い現役時代を振り返り「我慢はできない性格です。やりたいことをしてきたから、我慢したことはない。」と言ったことからも裏付けされます。
あらゆるメディアで取り上げられ、ルーティンという言葉を世に広めるきっかけとなったのはイチロー選手でしょう。
五郎丸選手(ラグビー元日本代表)
ゴールキック時のルーティン
- ボールを二回転する
- ボールの後ろに下がり、両手の指を胸の前で組みむ
メンタルコーチと共にルーティンを完成させ、毎回ルーティンに点数をつけていました。ルーティンの最中は、スタジアムの歓声もブーイングも聞こえないそうです。するべきことに集中し、そのままキックに移行しベストパフォーマンスを生み出しキックの成功率を80%まであげました。
ビルゲイツ氏(マイクロソフト社顧問)
- 毎日一時間の読書
- 毎朝運動する
スポーツ選手に限らず、生活の中にルーテインを取り入れることは有効で日々の生活や人生をより良くします。
読書をすることにより想像力や感性が育ち、自分の知らない情報を取り入れることで新しい情報や閃きにも繋がるのだと言います。
さらに表現力や語彙力を鍛える効果もあります。
ジェフ・ベゾス氏(Amazon創業者)
- 早起き
朝五時に起きることを習慣化しています。早起きすることで、仕事開始までに脳を活性化させた状態にでき、その状態で仕事に取り掛かることができ、一日の時間を有効に使うことができます。
昔から「早起きは三文の徳」とことわざにもあるように、他にも早起きをルーテインにしているユニクロ創業者の柳井正氏やアップル社CEOのティム・クック氏といった著名な経営者も多くいるようです。
ルーティンを取り入れるコツ
小さな変化から始めていく
最初は小さなステップから始めます。
正しく立って構えに入ることから始めます。
次に胸の前でグリップしてからクラブを降ろします。
こうやって、一つ一つ身につけていきます。身に付いたと思っても、すぐに項目を増やさずひたすら繰り返します。そこから、目標を決めたら五歩で打席に入る。とか、ターゲットからボールに目線を向け目印をみつけたりボールからターゲットに目線を向け目印をみつけたりなど行動を細分化し習慣化して、決まりきった動作を作っていきます。
モチベーションを捨てる
「よしやるぞ」と意気込むと、すぐ忘れたり長続きしません。朝起きて顔を洗うよう、「いたただきます」と言ったら自然と手を合わせるように、考えなくても動けるようになるまでルーティン動作を反復します。モチベーションに左右されない行動をとれる仕組みを作っておきます。モチベーションがなくても、自然と行動する状態にもっていきます。
仕組みを作り習慣化していく
人はどうしてもラクな方を選択したくなります。練習ではボールを何球も打つのでルーティンを取り入れることが面倒になりがちです。特に習慣が定着するまでは、仕組みを作って反復することに注力しましょう。
習慣にならない理由は、そのことを考える時間が少ないことも要因になります。動画に撮って見直したり、文章化して項目を明確にしたりすることで、自然と記憶に刷り込むことにつながります。
最後に
目標達成のための思考や行動を習慣化すれば、それはやがて「長所や強み」になります!メンタルに結果が左右されないよう、自分の変化に少しでも早く気付けるように「ルーティン」を利用するのが賢いアプローチだとおもいます。ミスが許されない緊張する場面でも「いつもと同じ動作をするだけ」、絶好のチャンスがやってきた時も「いつもと同じ動作をするだけ」とルーテインによって坦々とボールを打つことで、良い結果を掴むことができると思います。本番だけルーテインを取り入れるのではなく、練習時からルーテインを取り入れて、どんな場面になってもオートマチックに動けるように体にルーテインを染み込ませてください😊